L'art fantastique/      幻想芸術

IFAA(国際幻想芸術協会)本編HPは以下アドレス。

https://www.facebook.com/ifaa2016/?ref=aymt_homepage_panel

公式BLOG

内外幻想芸術紹介とレヴュー。
***************************************************************************

【Blog機能説明】all→全件閲覧 latest→過去記事 auto→自動繰頁 info→リンクなど 続きを読む→コメント欄などが出現

フェルメール展〜光の天才画家とデルフトの巨匠たち〜に寄せて

felmer

 フェルメールの絵には、静寂が溢れかえっていた。

 フェルメールとは、17世紀にオランダで活躍した風俗画家である。展示場には、フェルメールを中心とした、オランダ、デルフトを拠点として、創作活動をした画家の作品を中心に展示がされている。構成は、フェルメールに影響を与えたであろう、同じくデルフトで活動した作家を前半に、フェルメールを中盤に、そしてフェルメールから影響を受けたであろう作家たちを後半に展示している。

 前半は、ピーテル・デ・ホーホやカレル・ファブリティウスの展示が中心だ。
 ホーホは、母親や家庭のモチーフを好み、子供の面倒をみる平民の主婦の風俗画を巧みに描く。レンブラントの弟子であるファブリティウスは、火薬庫爆発によりその作品は残念ながら大方燃えてしまったが、奇跡的に残った作品を多数展示している。ファブリティウスは遠近法や錯覚を起こす透視図法を多用し、レンブラントの影響を残しながらも大胆な構図で画を彩る。

 フェルメールについては最後に言及するとして、まず後半の展示について述べたい。

 後半は枚数は少ないが、フェルメールのように光を描く風俗画が多い。その絵の構成、ニュアンスにより、様々な寓意を込められて描かれたそれは、観ている人間の想像力をかきたてる。当時のオランダの平民の生活が、切り取られ、その姿は額の中に生き生きと留められている。

 そして、フェルメールについて言及したい。当展示では、多作ではない作家、フェルメールの絵画が7枚展示されているのが目玉だ(しかし作品保護のため、「絵画芸術」という絵は展示されていない。実際は6枚である)。
 代表作こそ無いものの、40枚無いフェルメールの絵がこれだけ集まることは珍しいだろう。当展示では、フェルメールの代表作とは違った作風の作品を観ることができる。風俗画中心のフェルメールだが、今回は宗教画、神話の絵、建築画なども描いていることがわかる。
「ヴァージナルの前に座る若い女」など、長年フェルメールの作品と断定できなかった作品も閲覧できる。だがどの作品にも共通しているのは、巧みなライティングと絵の持つ静寂さだ。フェルメールの絵には、静寂が閉じ込められているように感じた。また、フェルメールの絵の後に、フェルメールの作品ほぼすべての原寸大パネルが展示されている。もちろん本物には劣るが、楽しいのでぜひご覧になって頂きたい。

 当展示会では、オランダの風景、そして市井の人々の生活を垣間見ることができる。また、風俗画中心のフェルメールの違った一面を覗くことができる。そしてなによりも、まるでデルフトの空気を感じられるような展示会であった。

                   (矢野沙織/美術評論)

付記:今期口絵の『絵画芸術』はウィーン美術史美術館の翻意で日本に来ていない。ミステリアスなこの代表作はフェルメールにおける幻想性を語る好適な材料であったが、今回は矢野氏にごく一般的な展覧会レビューをお願いした。(IFAA代表/田中章滋)
photo by gradiva.inc - -
<< 幻想は棺を抜け出でるか?〜「幻想芸術展ー東京ー2008」に寄せて〜 | main | 山下清澄 銅版画展/ Kiyozumi Yamashita Copperplate picture exhibition >>









http://blog.shojitanaka.com/trackback/884464

blog information

>> Latest Photos
>> Recent Comments
>> Recent Trackback
>> Mobile
qrcode
>> Links

このページの先頭へ