L'art fantastique/      幻想芸術

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Fantastic Beast展に寄せて 〜「怪物」の居る場所〜

Fantastic Beast展に寄せて 

〜「怪物」の居る場所〜

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Fantastic Beast。
直訳すると「幻想的な怪物」とでも言おうか。
「怪物」―。怪物とはどういったものだろう?
まず、私は「怪物」を「社会の異端者」と定義したい。
その視点から、本展覧会を語りたいと思う。


まず黒木こずゑ。
氏の描く「怪物」は皆未成熟な子供たちである。
ここで注目したいのは、本来社会というものは大人の主権のものである。
だが、黒木の描く世界の覇者はメルヘンチックな未成熟の怪物―。
そう、子供たちである。


次に村田らむ。
氏の描く「怪物」とは欠損した奇形の生物だ。
穴のあいた手に、くしゃくしゃに老化した赤ん坊・・・。
穴だらけの体で笑う「怪物」には奇形の美しさを感じた。

kasima佳嶋

また、対照的な二人の作家の作品について言及したい。
まず、青木典子と佳嶋。
前者の描く世界は非常に、性的なまでに肉感的である。
ところが、佳嶋のそれは非現実の美しさの世界だ。
青木の作品は、男根を想像させる直接的な性を感じさせる作品が多い。
普通一般社会において、直接的な性は表向きには「排除」されている。
これもまた、「怪物」なのだ。
そして佳嶋。
佳嶋の世界の住人は、社会には収まりきれないほどの美しさを放っている。
美しすぎる生き物たちもまた、「怪物」なのだろう。

koyama小山哲生

leofbレオ澤鬼

次の対照的な二人の作家は、小山哲生とレオ澤鬼。
二人の作家の主なモチーフは「女性」であるが、
前者の女性にはセックスアピールが少ないのに対し、
後者のそれには禍々しいまでにセクシュアルである。
詳しくそれぞれについて説明しよう。
小山哲生の作品の女性たちは、宝石の輝きに閉じ込められた、まさに幽閉された女性たちである。
幽閉されたそれは、時間を経ることなく、ただひたすらに一瞬の美を放つ。
時間を超えたそれもまた「怪物」なのであろう。
レオ澤鬼の作品のほとんどは、巨大な乳房をたたえた女性たちである。
溢れんばかりのセクシュアルな美に見る者は倒錯するだろう。
これは前記の青木とも共通するが、収まりきらない性は社会には排除される。
これもまた、「怪物」である。

そして田中章滋。
田中章滋の描くモチーフの多くは神や勇者といった、人に崇め奉られる存在である。
人々に崇め奉られるもの、それは、社会を超越する。
超越してしまった存在もまた、「怪物」なのではなかろうか?


ここまで、7人の作家、それぞれの「怪物」について言及した。
それでは、怪物のいる場所とはどこだろう?
まず黒木、子供。村田、奇形。青木、レオ澤鬼、直接的なセックス・シンボル。
佳嶋、美しすぎる生き物。小山哲生、時間を超越した者。田中章滋、神。
これらの存在は、「社会」には存在はしていない。
だが、あなたはこれらのどれか一つは必ずや遭遇しているのではなかろうか?
そう、「社会」を外れたところに「怪物」は存在する。
では、「怪物」の住む世界とはどんなところなのだろう?
そして「Fantastic Beast」。
幻想的な怪物。
もうおわかりだろう。
社会を外れた幻想世界に怪物は存在する。
言い換えれば、社会を外れれば、幻想世界に埋没することが出来る・・・。
もしあなたが「社会」に疲れたのなら、絶望したなら。
一歩「社会」を外れ、埋没してはどうだろうか?
「怪物」たちの住む、幻想世界に・・・。

               (執筆者:矢野沙織/美術評論)
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