L'art fantastique/      幻想芸術

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◇76. ルイジ・ラ・スペランザ/アトリエ訪問

ルイジ・ラ・スペランザ/アトリエ訪問

ルイジ1

「私は天才少年だったんだよ」、彼がシュタイナー教育を受けた事に就いて質問すると、夥しい数のスクラップ記事を見せながらそう言った。しかも幼年期の絵画群がシュタイナー教育の枠組みをはみ出し、あまりにも奔放な魑魅魍魎の世界に親和していたので教師を困らせたそうだ。文化祭のお化け屋敷のポスターが真に迫りすぎていたので、教師に公開を禁じられ、さらには精神に異常をきたしているのではないかとすら疑われたそうだ。エルンスト・フックスも天才少年だったが、このエピソードはよりレオナルド・ダヴィンチの古事に近いかも知れない。
 その後ルドルフ・ハウズナーに見出された彼は、僅か16歳でウィーンアカデミーに入学を許されたのだという。

ルイジ2

 ルイジのアトリエ訪問は現地時間、10月16日午後1時より午後5時まで、4時間に及んだ。彼は実によく喋る。私も見かけによらずお喋りなのだが、一つの質問への回答が永遠に止む処がない。

ルイジ4

 今年3月の訪問を経て2度目ということもあり、「第三の男」で有名なプラーター公園改装デザインの仕事の最中にも係らず、私のために半日開けて待っていてくれたのだ。この3月には既に彼に委託されていたプラーター公園改装計画は、遅れに遅れ、当初外壁が彼の作品イメージで埋め尽くされる予定であったが、他の建物との釣り合いから、エクステリアではなく、内壁の装飾のみに制約されてしまったようだ。残念なことにモニュメント彫刻も彼のオリジナルデザインでは予算が掛かりすぎるということで、他の作家に横取りされてしまったという。「ルイジらしさ半減だね」と言うと、仕方ないという身振りで、少しもへこたれてない様子が、頼もしい。芸術に親炙する態度を見せながら、それが余りに奔放に過ぎると、クライアントが保守主義の本性を表すのは古来珍しいことではない。

 少年時代の話に及ぶと、その頃の作品を持ち出して来ては、如何なる動機でそれを描いたか、事細かに説明し始める。飼っていたモルモットをモデルにして描いたのが最初の怪獣だという。新聞記事にはそのモルモットと一緒に写ったものがあり、そう言えば当時ヒッチコックの『鳥』のような、鼠の逆襲を扱った「ウィラード」という映画があったのを思い出した。幼年期には誰もがセンス・オブ・ワンダーを持っているが、長じるに従いそれを失って顧みなくなる。幻想画家の多くがそのアドレッサンスの世界に生き続ける点で、ルイジはその典型例であろう。

ルイジ3

 凡そ語らった内容の全てを書き尽くすことは、ここでは侭ならない。世代にもよるが、少なくともウィーンに留学し、ルドルフ・ハウズナー、その後エーリッヒ・ブラウアーに継がれたアカデミーで学んだ者の多くが、両者に助手として就いたルイジによってミッシュテクニック(混合技法)を手解きされた筈であり、デ・エスやペーター・グリックなどとも親しい間柄のルイジこそは、正統ウィーン幻想派と呼ぶべきであろう。会話の随所に画家としての並々ならぬ自信が垣間見え、ウィーン幻想派が絡む展覧会のレセプションなどでは、常に傍らに彼の定席があるといった写真を披露してくれた。
 因にウィーン幻想派と一部日本の留学組を仲介していた画家でドイツ人の元外交官夫人の名前を出してみたが、全く記憶にない様子だった。女性でフックスの高弟ならばブリジット・マーリンかマルティナ・ホフマンが有名だが、それよりも日本にこれほど多くの幻想画家が居たとは信じがたい、と驚いていた。
 否々、IFAAはその極一部で、有名無名を問わず潜在的には実力者が有に100人は居る。そう言うと、更に目を丸くして見せた。最後にレオ・プラウとの会見の詳細を伝えると、彼はとても強い人間であり、幻想芸術の優れた伝播者だ、必ずや素晴らしい機会が発生するであろう。彼と共に神秘の国日本に行くのが楽しみでならない。そして、ウィーンで展覧会がしたければ、自分の所でやってはどうか? とまで提案してくれた。彼はレオポルドミュージアムの直ぐ裏手という好立地のアトリエ兼店舗を、二倍に拡張したばかりであった。嘗て家具職人が多く店舗を連ねたその界隈は新しい画廊なども出来、会見の間も何人もの一見客が出入りしていた。

 彼のHPには、この3月のIFAA展がグーグルアースでリンクしてあり、有り難いことこの上なかった。

http://www.lasperanza.com/biography/biography.htm

 注文制作を何年も待っている顧客を余所に、彼は来年京都の第三回IFAA展の為に、新作小品タブロー四点を制作し、自ら持参して来ることを約束してくれた。
photo by gradiva.inc - -
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初めまして。レオポルドミュージアムについて調べていたところ、たまたまヒットしたんですが、とても興味深い内容でした。
写真に写っていたメドゥーサの絵が彼の作品なのですね?それらの作品が日本でも観られるなら是非とも拝見したいのですが、詳しい日程などは…?

知り合いが、近いうちにレオポルドミュージアムで行われるイベントの為にウィーンへ行くと聞いたので、その方にも彼の作品を教えて差し上げたいと思いました。
| トモ | 2008/05/02 9:21 PM |

とも様

 コメントありがとうございます。こちらは日本初の幻想芸術団体IFAA/アイファ(International Fantastic Art Association)の公式ブログとなっております。
 以下のアドレスにお越し下されば、ルイジ・ラスペランザの詳報、我々の活動などが動的なブログよりも把握し易いかと存じます。この9月には、京都IFAA展で発表されたものに加え、ルイジの新作が世田谷美術館にてご高覧頂けると存じます。IFAA/アイファ共々宜しくお願いいたします。

http://ifaa.cc/ifaa/
| Shoji Tanaka | 2008/05/07 10:17 AM |










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